傭車(ようしゃ)とは、自社の車両やドライバーが不足する際に、他社からトラックと運転手を一時的に借り受けて輸送を委託する仕組みです。繁忙期の需要変動や突発的な案件に対し、柔軟に輸送力を確保する手段として広く活用されています。
傭車は、海運業界における「傭船(船のチャーター)」に由来する言葉です。自社でトラックやドライバーを固定資産や自社雇用として抱えずに済むため、固定費を抑えながら需要の波(波動)に合わせた柔軟な運用が可能になるメリットがあります。一方で、自社乗務員に比べてサービス品質のコントロールが難しいことや、中間マージンによるコスト増、さらには下請け構造が深くなることで実際の運送事業者の管理が不透明になりやすい点がデメリットです。そのため、委託元には傭車先に対する厳格な安全基準の適用や、コンプライアンス遵守を担保する運行管理体制の構築が強く求められます。
労働規制に伴うドライバー不足や働き方改革への対応が進む中、傭車の運用はDXにより高度化しています。従来主流だった電話やFAXによる手配は急速に減少し、AIを搭載した配車プラットフォームを介した迅速なデジタルマッチングが主流となりました。これにより、多重下請け構造の可視化と es (是正) が進んでいます。さらに、共同配送による積載効率の向上や、EVトラックを優先的に手配する「グリーン傭車」など、脱炭素化(グリーンロジスティクス)に配慮した選定基準も重視されています。