廃棄物とは、廃棄物処理法において自ら利用したり他人に有償で売却したりできない不要物(固形状・液状)と定義されます。事業活動に伴い発生する20種類の「産業廃棄物」と、それ以外の「一般廃棄物」に大別されます。
廃棄物の該当性は、物の性状や取引価値、占有者の意思などを総合的に勘案して判断されます。物流プロセスにおいては、荷役時に発生する破損品や梱包資材、期限切れによる返品・廃棄などが該当し、これらを適正に処理することは事業者の法的義務です。特に産業廃棄物の排出事業者は、委託基準の遵守やマニフェスト(管理票)の発行など、厳格なコンプライアンスが求められます。適正処理を怠ると、企業の社会的信用を大きく損なう「排出事業者責任」のリスクに直面します。そのため、物流の現場では廃棄物の発生自体を抑制するリデュースやリユースの推進、そして資源として再循環させる「静脈物流(リバースロジスティクス)」の構築が極めて重要です。
物流業界では脱炭素とサーキュラーエコノミーの推進が本格化し、廃棄物の効率的な回収・処理が最優先課題です。ドライバー不足や働き方改革への対応に伴う輸送力不足を背景に、電子マニフェストと連携した運行管理DXや、スマート容器を活用した効率的な共同回収が進んでいます。廃棄物を単なるゴミとして処理するのではなく、資源として最適なルートで循環させるグリーンロジスティクスへの移行が加速しています。