ユーザンスとは、貿易取引において輸出入者間で合意された「代金の支払猶予期間」のことです。輸入業者は初期の資金負担を抑えて商品を仕入れることができ、キャッシュフローを円滑にするための重要な貿易金融の仕組みを指します。
ユーザンスは、輸出業者が直接支払いを猶予する「シッパーズ・ユーザンス」と、銀行が信用を供与する「銀行ユーザンス」に大別されます。銀行ユーザンスには、国内の銀行が引き受ける「邦銀ユーザンス」や、輸出地の外国銀行が引き受ける「外銀ユーザンス」があります。輸入側は商品を受け取って販売した後に代金を支払えるため資金繰りが楽になり、輸出側も銀行を介すことで確実かつ早期に代金を回収できるメリットがあります。一方、猶予期間中の金利(ユーザンス金利)や手数料が発生する点、また為替変動のリスクを考慮する必要がある点がデメリットです。
貿易DXの急速な進展により、ユーザンスを巡る手続きは大きく進化しています。ブロックチェーン技術を用いた電子船荷証券(eB/L)やデジタル貿易プラットフォームの普及により、信用状の発行から資金決済までのプロセスがペーパーレス化され、劇的に高速化しました。不確実性が高まるグローバルサプライチェーンにおいて、物流のスピードアップと連動したスマートな資金調達手法として、デジタル化されたユーザンスの重要性はさらに高まっています。