個建て運賃とは、荷物1個(1梱包)を単位として設定される運賃制度です。荷物のサイズ、重量、および配送距離の区分に応じてあらかじめ確定した運賃が適用される仕組みで、主に宅配便や路線トラック便(特別積合せ貨物運送)で採用されています。
この運賃制度は、出荷する荷物の量に比例して物流コストが発生するため、荷主にとっては運賃の予算管理や算出が容易で、小口多頻度の発送に適している点がメリットです。トラック1台を貸し切る「車建て運賃」とは異なり、積載スペースを他社の荷物と共有(混載)するため、少量輸送であれば配送コストを最小限に抑えられます。一方で、一度に大量の荷物を発送する場合や、形状が不揃いで積載効率が下がる荷物の場合は、車建て運賃よりも総額が割高になるデメリットもあります。運送事業者にとっては、荷物を効率よく混載してトラックの積載率を高めることで、1運行あたりの収益性を最大化するための極めて重要な運賃指標となっています。
ドライバー不足や働き方改革への対応による輸送力不足や、脱炭素化への対応から共同配送が主流となっており、コストを適正に按分できる個建て運賃の役割が再評価されています。また、AI搭載の自動採寸計量システムや3DセンサーなどのDX技術により、荷物のサイズや重量の自動計測が瞬時に行えるようになりました。これにより、手作業による検尺の手間が排除され、より正確な運賃算出や業務の超省力化、積載効率向上に直結するダイナミックプライシングの導入などが進んでいます。