スループットとは、物流や生産における「単位時間あたりの貨物の処理・流通量」、および制約理論(TOC)において「売上高から真の変動費を引いて得られるキャッシュ創出額」を指す、効率性と収益性の重要指標です。
物流現場においてスループットの向上は、倉庫内の荷役や出荷スピードを上げ、滞留在庫を削減することを意味します。TOCの観点では、単に大量生産・輸送をして見かけの原価を下げるのではなく、サプライチェーン全体を通過するモノの移動速度を高めて「売れる状態」にし、迅速に現金化することを重視します。スループットを高めるメリットは、キャッシュフローの改善やリードタイム短縮、在庫保管コストの削減に直結する点です。しかし、一部の工程だけを高速化しても、ボトルネック(制約条件)が存在すると全体の処理能力は向上せず、かえって仕掛在庫やコストが増えるデメリットが生じます。そのため、全体最適の視点からプロセスを見直す必要があります。
近年の物流業界において、労働力不足や脱炭素化が急速に進む中、スループットの向上は最重要課題です。AIや自動化機器(AGV等)の導入といった物流DXにより、現場の処理能力を高めつつ、トラックの待機時間や無駄な配送を排除する取り組みが主流となっています。限られた経営資源で環境負荷を抑えながら、素早くキャッシュを創出するための指標として、その存在感はさらに増しています。