シングルピッキングとは、出荷先(オーダー)ごとに倉庫内を回り、必要な商品を直接集めていくピッキング手法です。「オーダーピッキング」や「摘み取り方式」とも呼ばれ、多品種少量の発送に適しています。
この手法は、注文に合わせて商品を集めるため、ピッキング完了後に面倒な仕分け作業を挟むことなく、すぐに梱包・出荷工程へ進められる点が大きなメリットです。そのため、迅速な出荷が求められるEC(BtoC)物流や、急なオーダー変更への柔軟な対応に強みを発揮します。一方で、作業者がリストを手に広大な倉庫内を歩き回る必要があるため、移動距離と時間のロス(歩行ロス)が生じやすいというデメリットがあります。特に取扱商品数が多く、倉庫が広いほど作業効率が低下しやすく、作業者の肉体的負荷も大きくなります。
深刻な労働力不足や「2024年問題」の定着を受け、シングルピッキングの弱点である歩行ロスの削減が急務となっています。この課題に対し、AMR(自律走行ロボット)が人と協調して移動を代替する手法や、自動倉庫から棚ごと作業者の元へ商品を運ぶGTP(Goods to Person)技術の導入が急速に進んでいます。DXの進化により、従来の「人が歩き回るピッキング」は、ロボティクスと融合した高効率かつ省力化された作業へとアップデートされています。