産業廃棄物とは、企業の事業活動に伴って生じる廃棄物のうち、法令で定められた20種類を指します。爆発性や毒性などがあり、人の健康や生活環境に被害を及ぼす恐れがあるものは「特別管理産業廃棄物」に分類されます。
産業廃棄物は、汚泥、廃油、廃プラスチック類など多岐にわたり、排出事業者が自らの責任で適正に処理することが義務付けられています。物流分野においては、これらを安全かつ効率的に運ぶ「静脈物流」の構築が極めて重要です。適正な運搬は、不法投棄の防止や環境保全に直接貢献するメリットがあります。一方で、有害物質を含むことも多いため、車両の特殊仕様化や漏洩対策が必要となり、一般貨物と比較して輸送コストや管理コスト、事故時のリスクが高いという側面もあります。そのため、適正なマニフェスト(管理票)の運用や、徹底した追跡管理が強く求められます。
物流におけるドライバー不足や働き方改革への対応に対し、静脈物流でも電子マニフェストの高度化やAI配車による運搬ルート最適化などのDXが加速しています。さらに、サーキュラーエコノミーの推進やグリーンロジスティクスへの要請から、廃棄物を資源として再利用する循環型物流への変革が進んでおり、EVトラックの導入や共同回収、モーダルシフトといった脱炭素の取り組みが業界全体で本格化しています。