Roll On/Roll Off船(RORO船)とは、車両自体がランプウェイを通って船内に直接乗り入れ、クレーンを使わずに貨物の積み降ろしを行う貨物専用船のことです。旅客も運ぶフェリーとは区別されます。
船体前後の斜路(ランプウェイ)を介して、トラックやトレーラーが自走、または牽引されて船内へ直接出入りする仕組みです。クレーンなどの大型港湾設備が不要なため、荷役時間を劇的に短縮し、物流コストを抑制できるメリットがあります。また、貨物を載せたシャーシ(台車)を船内に残し、トラクターヘッド(運転席部分)のみを港に切り離しておく「分離輸送」ができるため、ドライバーの拘束時間を削減できます。デメリットとしては、車両をそのまま積載する構造上、コンテナ専用船と比較して容積あたりの積載効率が低くなる点が挙げられますが、国内の幹線輸送において迅速かつ安定した物流網を支える重要な役割を担っています。
トラックドライバーの労働規制強化に伴う長距離輸送の担い手不足に対し、RORO船へのモーダルシフトは最有力な解決策となっています。また、脱炭素社会に向けたグリーンロジスティクスの推進により、LNG燃料船や風力推進技術を採用した次世代RORO船の導入が進むほか、港湾における自動牽引車の活用や、IoTによる運行情報のリアルタイムな可視化といったDXも加速しており、持続可能な海上輸送の主役として存在感をさらに高めています。