新短期規制とは、2000年代前半(平成12年〜16年)に順次導入された日本の自動車排出ガス規制の通称です。トラックなどのディーゼル車における窒素酸化物(NOx)や粒子状物質(PM)の排出基準を大幅に強化した、日本の環境政策における重要な転換点となった規制です。
この規制は、当時の深刻な大気汚染問題を解決するために実施されました。ガソリン車向けの平成12年規制に続き、物流の主力であるディーゼル車向けに平成15年・16年規制が導入され、NOxやPMの画期的な削減が義務付けられました。さらに、車両の排出ガス低減装置の作動状態を監視する車載式故障診断(OBD)システムの装備も義務化されています。これにより、トラックのクリーン化が一気に進み、都市部の大気環境が劇的に改善されるメリットをもたらしました。一方で、運送事業者にとっては、新型車両への買い替えや、高度な排ガス浄化システムのメンテナンスに伴うコスト負担が増大するという課題も生じました。
物流業界は、輸送力不足に対応する「2024年問題」の克服と、カーボンニュートラル(グリーンロジスティクス)の実現という二重の課題に直面しています。かつての新短期規制から始まった排ガス抑制の歴史は、現在ではEV(電気自動車)やFCV(燃料電池)トラックの普及、さらにはDX・AIを活用した共同配送やルート最適化によるCO2排出削減へと進化を遂げており、持続可能なグリーンサプライチェーンを構築する上での原点となっています。