建値制


建値制とは、メーカーが卸売業者や小売店に対して設定する取引価格の基準制度です。物流分野においては、運賃などの物流コストをあらかじめ商品代金の中に含めて取引を行う「届先建値(運賃込み価格)」などの価格決定方式を指します。

従来の届先建値制は、買い手側が個別に配送を手配する手間を省ける一方、輸送距離や荷役作業にかかる実費が商品価格に埋没し、正確な物流コストが見えにくくなるデメリットがありました。また、ディスカウントストアの台頭などに伴い、商流面ではメーカーが最終価格をコントロールしないオープン価格制への移行が進みました。物流面においても、一律の運賃込み価格は長距離輸送や長時間のトラック待機に伴うコストを曖昧にする温床となっており、荷主と物流事業者間の適正な取引や、現場の業務効率化を阻む要因として見直しが求められてきました。

物流の2024年問題に起因する輸送力不足や、物流DXによるコスト可視化の進展に伴い、商品代金と運賃を明確に分離する「物流費の別建て(外建て)」や、買い手側が配送を自社手配する「引取建値」への移行が急速に進んでいます。脱炭素(グリーンロジスティクス)の観点からも、輸送効率の最適化と適正運賃の収受は不可欠であり、従来の不透明な建値制から脱却し、コスト構造を透明化することが持続可能なサプライチェーン構築の標準となっています。

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