揚地選択貨物


揚地選択貨物とは、船積み時に最終的な陸揚港を決定せず、航海中に複数の候補港から1港を確定させる貨物のことです。市場の需要変化や地政学的リスクに対し、柔軟なサプライチェーンを構築するための有効な手段となります。

この仕組みでは、船積み時に2カ所以上の陸揚港を指定しておき、本船の航海中に荷主または荷受人が最終的な揚地を1つに確定します。この取り扱いに用いられる船荷証券は「揚地選択船荷証券(Optional B/L)」と呼ばれ、候補となる複数の陸揚港が並記されます。荷主は、最初の候補港(一次港)に入港する前の定められた期限までに最終港を決定し、船会社に通知する必要があります。また、この柔軟な輸送選択の対価として、割増料金(Optional Charge)が発生します。仕向け地の最新の需要動向を見極めてから貨物を配送できるため、在庫の最適化や余分な二次輸送コストの削減に寄与します。

地政学的リスクや気象災害による航路混乱が常態化する中、本手法はサプライチェーンの強靭化に不可欠な手段となっています。電子船荷証券(eB/L)の普及やAIによる需要予測により、最適な揚地の迅速な意思決定が可能となりました。さらに、国内のドライバー不足や働き方改革への対応、脱炭素化を背景に、陸上輸送を最小限に抑える港を直前に選択することで、物流効率化とCO2削減を両立する戦略として再評価されています。

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