内航船舶貸渡業


内航船舶貸渡業とは、自社が所有する内航船舶を内航運送業者(オペレーター)に貸し出し、貸渡料(傭船料)を得る事業のことです。船主(オーナー)として、国内の海上輸送インフラを船舶の供給面から支える重要な役割を担っています。

この事業は、内航海運業法に基づき国土交通大臣への届出等が必要な規制業種です。船舶の建造や保有には巨額の初期資金が必要となるため、運送業者が自社で全ての船を所有することは財務的なリスクを伴います。そこで、内航船舶貸渡業者が船主として船舶を保有し、運送業者に貸し出す仕組みが定着しています。運送業者にとっては、資産をオフバランス化しつつ、市場の需要変化に合わせて機動的に輸送力を確保できるメリットがあります。一方、貸渡業者は船員の配乗を伴う「定期傭船」や、船体のみを貸し出す「裸傭船」などの契約形態を通じて、安定的な賃貸料収入を得るビジネスモデルを構築しています。

物流のドライバー不足や働き方改革への対応に端を発したトラック輸送から海上輸送へのモーダルシフトが急進しており、内航海運の需要はかつてない高まりを見せています。また、グリーンロジスティクスに向けたEV(電気推進)船や新型燃料船の導入、さらに深刻な船員不足を解消するための自動航行やDXといった先進技術の搭載には多額の投資が必要となります。そのため、資金力を持つ船舶貸渡業者が最新鋭の環境対応船やDX化された船を保有し、運送業者へ供給できるかどうかが、サプライチェーン全体の脱炭素化と持続可能性を左右する鍵となっています。


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