積層ラック(積層棚)とは、倉庫内の天井高を有効活用するため、スチールラック等の支柱を利用して床面を2層以上に多層化させた保管棚のことです。限られた敷地面積のなかで、保管効率を劇的に向上させる仕組みです。
構造としては、ラックの支柱を伸ばして床を張る「積層式(ラック工法)」と、独立した太い柱と梁で床面を作る「メザニン式(中二階工法)」に大別されます。メザニン式は下部に広い作業スペースを確保できる点が特徴です。積層ラック導入の最大のメリットは、坪数の限られた倉庫でも、工事費や賃料を抑えつつ保管容積を倍増できる点にあります。一方で、上層階への荷役の手間が増える点や、建築基準法上の建築確認申請、および消防法に定めるスプリンクラーや感知器の増設といった法的規制をクリアする必要がある点がデメリットおよび留意点です。
物流2024年問題に起因する労働力不足と都市部を中心とした倉庫賃料の高騰を受け、既存倉庫の「垂直活用」による効率化が再評価されています。近年は、積層ラックやメザニン上でAMR(自律走行搬送ロボット)を走行させたり、垂直搬送機と連携して階層間の移動を自動化する省人化パッケージの導入が進んでいます。新規に倉庫を建設せず、既存アセットの容積率を極限まで高めるこの手法は、建設に伴うCO2排出を抑制するグリーンロジスティクスの観点からも極めて有効な手段です。