MRP(Material Requirements Planning:資材所要量計画)とは、製品の生産計画に基づき、必要な原材料や部品の「品目」「数量」「調達時期」を逆算して、最適な生産・発注計画を策定する管理手法およびシステムのことです。
MRPは、製品の部品構成表(BOM)、在庫データ、および調達や製造にかかるリードタイムを基に、コンピュータ上で必要な資材量を自動計算します。必要なものを必要なタイミングで過不足なく手配することで、在庫の最小化と生産効率の向上を両立できる点が最大のメリットです。実際の需要に応じて後行程から補充を促す「かんばん方式(プル型)」とは異なり、計画に基づいて先行的に手配をかける「プッシュ型」に分類されます。一方で、急な需要変動や計画変更への即時対応が難しいというデメリットもあり、この課題を解決するために、設備や人員などの製造資源まで管理対象を広げた「MRP2(製造資源計画)」や、企業全体の資源を統合管理する「ERP」へと進化を遂げました。
物流におけるドライバー不足や働き方改革への対応に伴う輸送力不足の深刻化や、脱炭素・グリーンロジスティクスへの対応から、MRPはさらなる高度化を遂げています。AIやIoT、クラウドとの連携により、サプライチェーン全体のリアルタイムな在庫状況や物流遅延リスクを織り込んだ自動計画修正が可能となりました。これにより、調達・物流の効率化と二酸化炭素排出量の削減、そして予測困難な市場変動への強靭な対応力を実現しています。