パルプモード(一般的には「パルプモールド」と呼ばれる)とは、新聞古紙や段ボール、パルプなどの繊維質を原料とし、水と混合して型で成形・乾燥させた包装・緩衝材のことです。主に鶏卵のパックや果物トレイ、家電製品などの工業製品を保護する緩衝材として幅広く利用されています。
原料が100%紙製であるため、使用後は古紙としてリサイクル可能であり、万が一自然界に流出しても土に還る生分解性を備えているのが最大の特徴です。優れた緩衝性と製品へのフィット感により、衝撃から内容物を確実に守ります。さらに、同じ形状のトレイを重ね合わせてコンパクトに収納できる「ネスティング性」に優れており、保管スペースの削減や輸送効率の向上に貢献します。プラスチック製に比べて耐水性や耐湿性が劣る点や、金型製作の初期コストが課題とされてきましたが、近年は撥水・撥油コーティング技術の向上により、その弱点も克服されつつあります。
世界的な脱プラスチックやグリーンロジスティクスの潮流を受け、発泡スチロールに代わる環境配慮型素材として急速に普及が進んでいます。重ねて効率的に運べる特性は、深刻化するトラックドライバー不足(近年の働き方改革に伴う輸送力不足)に対する積載効率向上の切り札となっています。また、3D CADや強度シミュレーションといったDX技術の導入により、金型設計の高速化と低コスト化が実現し、多品種少量の製品に対しても迅速かつ最適な緩衝設計が可能となっています。