マスト


マストとは、フォークリフトの前面に備えられた、爪(フォーク)を上下に昇降させるための支柱(レール)のことです。荷役作業における高所へのアクセスや、荷物の安定した昇降を支える極めて重要な基本骨格です。

マストは一般的に、外側に固定されたアウターマストと、その内側をスライドして上昇するインナーマストの多段構造で構成されています。これにより、フォークリフト自体の高さを抑えつつ、高い位置への荷役を可能にしています。マストには、標準的な2段式のほか、天井が低い場所でもマストを伸ばさずにフォークだけを上げられるフリーリフト機能付きマストや、3段構成で超高所に対応するハイマストなどがあり、倉庫の天井高や作業環境に応じて最適なタイプが選定されます。メリットは高層ラックの活用による保管効率の最大化ですが、一方で、マスト自体が運転席からの前方視界を遮る原因になることや、荷物を高く上げるほど車両全体の重心が不安定になるため、高度な安全管理が求められます。

物流におけるドライバー不足や働き方改革への対応として自動フォークリフト(AGF)の導入が加速しています。最新のマストは、自動運転時の安全性を高めるため、LiDARや障害物検知センサー、カメラなどと一体化して設計されています。また、環境負荷低減(グリーンロジスティクス)に向けた車両の電動化に伴い、マストの軽量化と高強度化を両立する新素材の採用が進んでおり、エネルギー効率の向上にも大きく貢献しています。

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