後入れ先出し(LIFO)とは、新しく入荷した在庫から優先的に出荷・払い出しを行う運用方法、およびそれを前提とした棚卸資産の評価方法です。会計基準としては国内で廃止されていますが、物流の現場実務における保管や荷役のやり方として今なお参照される用語です。
物流現場における物理的な後入れ先出しは、手前側からしか出し入れできない保管スペースや、奥に深いラックなどで自然に発生します。この方法のメリットは、保管効率を最大化でき、奥にある荷物を動かす余計な荷役の手間を省ける点にあります。しかし、最大のデメリットは古い在庫が奥深くに滞留し続け、品質劣化や使用期限切れによるデッドストックを招くリスクが極めて高いことです。そのため、厳格な品質管理が求められる食品や医薬品、アパレルなど多くの業界では原則として避けられ、先入れ先出しの徹底が基本とされています。なお、財務会計における棚卸資産の評価方法としての後入先出法は、国際会計基準(IFRS)との整合性を図るため、日本でも既に完全に廃止されています。
持続可能なグリーンロジスティクスの観点からフードロスや商品廃棄の削減が強く求められており、デッドストックの原因となる物理的な後入れ先出しを排除する動きが一段と強まっています。WMS(倉庫管理システム)やRFID、AGV(無人搬送車)の進化により、高密度な保管環境であっても、ロットや消費期限をシステムが精緻に追跡し、自動で先入れ先出しを実行する仕組みが主流となりました。ドライバー不足や働き方改革への対応に伴う深刻な人手不足を背景に、手作業による確認ムダを省きつつ、品質と作業効率を両立させる高度な在庫DXが標準となっています。