カルテルとは、同業他社や業界団体が共同して運賃、価格、生産量、取引先などを合意し、市場における自由な競争を制限する不正な取引行為です。不当な利益を維持する温床となるため、独占禁止法で厳しく禁止されています。
カルテルが結ばれると、本来は市場の競争メカニズムによって決まるべき価格やサービス水準が人為的に固定化され、荷主や消費者に大きな不利益を与えます。合意に関わった企業にとっては一時的な利益の確保や競争回避といったメリットがありますが、業界全体のサービス向上やイノベーションが停滞するという大きなデメリットが生じます。特に物流業界において、共同での運賃・料金の引き上げや、営業エリア・顧客の割り当てなどは「不当な取引制限」として独占禁止法違反になります。違反企業には巨額の課徴金や刑事罰が科されるほか、社会的信用を失うリスクもあります。公正な競争環境のもとで適正な取引を行うことが、物流企業の持続可能性に直結します。
物流のドライバー不足や働き方改革に伴う運賃適正化や共同配送が急速に進む中、「公正な連携」と「カルテル」の境界を厳守することがこれまで以上に重要視されています。DXを活用したフィジカルインターネットの推進やグリーンロジスティクスに資する共同輸送は、法的にも推奨される適正な連携ですが、事業者間で不当に足並みを揃えて価格を維持・上昇させる行為はカルテルとみなされるリスクがあります。コンプライアンスを徹底し、適法かつ効率的なサプライチェーンを構築することが物流企業に強く求められています。