インコタームズ2010


インコタームズ2010とは、国際商業会議所(ICC)が策定した、貿易取引における費用負担やリスク移転の範囲を定めた国際規則の2010年改訂版です。輸出入者間の認識齟齬やトラブルを防ぐ役割を持ちます。

インコタームズ2010は、当時の国際物流の実態に合わせて規則を整理し、全11規則(あらゆる輸送手段向け7種、海上海面水路向け4種)に再編したものです。コンテナ輸送の普及に伴う実務との乖離を(Dグループなどの見直しにより)是正し、取引の円滑化に大きく貢献しました。メリットとして、国ごとに異なる商習慣を乗り越え、責任の所在を明確にできる点が挙げられます。一方で、これらは法律ではなく当事者間の合意に基づき任意で適用されるルールであるため、契約書への明記が必須であることや、所有権の移転時期は対象外である点に留意する必要があります。

最新の「2020年版」が主流ですが、合意があれば2010年版も有効に使用可能です。貿易DXによる電子船荷証券(e-B/L)の普及や、グリーンロジスティクス推進に伴うCO2排出量算出の義務化が進む中、輸送の主導権を握って自社でGHG(温室効果ガス)削減に取り組むための条件選択の重要性が増しています。変化の激しい現代物流において、どの版のどの規則を適用すべきか、戦略的な判断が求められます。

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