グラビティ(流動棚・傾斜ラック)とは、重力を利用して荷物を手前に自動スライドさせる物流保管設備です。棚に傾斜をつけ、ローラーなどを配することで、電力を一切使わずに効率的な「先入れ先出し」を実現します。
この仕組みは、棚の後方から入庫した商品が自重で前方へと滑り落ちるため、常に最前面に商品が整列し、ピッキングの歩行距離と作業時間を劇的に削減します。また、入庫と出庫の動線を分離できるため、安全性の向上と省スペース化を両立できるメリットがあります。一方で、荷物の重さや滑りやすさに応じた傾斜角やブレーキの細かな調整が必要となり、取り扱う荷姿の変更に対する柔軟性が低い点がデメリットです。
近年の物流業界において、グラビティは「省人化」と「環境配慮」を両立する手段として再評価されています。ドライバー不足や働き方改革への対応による深刻な労働力不足を受け、ピッキング自律移動ロボット(AMR)とグラビティを組み合わせた自動化連携が進んでいます。また、電力を消費せずに搬送を自動化できるため、脱炭素・グリーンロジスティクスに貢献するローコストで持続可能なソリューションとして導入が拡大しています。