フルフリーマスト


フルフリーマストとは、フォークリフトの支柱(マスト)の全高を伸ばすことなく、フォーク(爪)だけを上部まで昇降させられる機構のことです。天井や梁が低い場所でもマストが天井に接触せず、安全に高い位置の荷役作業を行えます。

一般的な標準マストはフォークの上昇に伴って内側のマストが上に突き出ますが、フルフリーマストは独自のシリンダー構造により、マスト自体の高さを変えずにフォークを最上部近くまで上げられます。最大のメリットは、コンテナ内やトラックの荷台、高さ制限のある倉庫内、エレベーター内などの狭小空間でも、天井に干渉せず安全に2段積みなどの荷役ができる点です。マストが上に飛び出さないため、天井の配管や照明を破損するリスクを大幅に軽減できます。一方で、構造が複雑なため標準マストに比べて導入コストが高く、マスト中央のシリンダー等により前方視界が狭まりやすいというデメリットもあります。

物流の「2024年問題」を受けたトラックの荷役時間短縮や、積載効率を高めるコンテナ・荷台内の多段積み需要の増加に伴い、フルフリーマストの重要性が再認識されています。また、限られた倉庫スペースを有効活用するための高層ラック導入や、自動運転フォークリフト(AGV)の普及が進む中、高さ制限をクリアしながら安全かつ効率的に昇降できる同機構は、物流DXと現場の省人化を支える不可欠な技術となっています。

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