FCA(運送人渡し条件)とは、インコタームズが定める貿易取引条件の一つです。売主が輸出国内の指定場所で、買主が手配した運送人に貨物を引き渡した時点で、費用とリスクの負担がすべて買主に移転する仕組みを指します。
FCAでは、輸出通関手続きは売主が行いますが、それ以降の主要な国際輸送費用やリスクは買主が負担します。コンテナ輸送や航空輸送において、実務上のリスク移転点を明確にできるため、FOBに代わる推奨条件として広く普及しています。引き渡し場所が売主の施設である場合は売主に積込み責任が生じ、それ以外の場所(フォワーダーの倉庫など)の場合は、売主の輸送車両上での引き渡しとなり、荷降ろしは買主側の負担となる点が特徴です。買主にとっては、自社で国際輸送の手配をコントロールできるため、運賃交渉や配送ルートの最適化を行いやすいメリットがあり、売主にとっては、自国内での引き渡し後に速やかにリスクから解放される利点があります。
グローバル物流では、地政学的リスクに伴う迂回ルートの選択や、脱炭素に向けたサプライチェーン全体の温室効果ガス排出量(Scope3)の可視化が強く求められています。FCAを採用することで、輸入企業はデジタルプラットフォームを駆使し、輸送ルートの選定や二酸化炭素排出量の管理、リアルタイムな動静把握を主体的にコントロールできるようになります。これにより、2024年問題以降の輸送混乱への強靭なレジリエンス確保と、グリーンロジスティクスの推進を両立させることが可能になります。