DPP(Direct Product Profitability:直接商品利益)とは、売上総利益(粗利益)から、その商品の配送、保管、店舗での陳列などに直接要した物流費や人件費を差し引いて算出する、個別商品ごとの実質的な収益性管理手法です。
従来の粗利益のみによる評価では、保管スペースを多く占有する商品や、配送頻度が高く手間がかかる商品の「隠れたコスト」を把握できませんでした。DPPは、輸配送、検品、保管、陳列といった流通の各プロセスで発生する直接コストを商品ごとに精緻に割り当てることで、真の収益力を可視化します。これにより、不採算商品の特定や、梱包サイズの見直しによる配送効率化、最適な棚割りなど、データに基づいた具体的な収益改善策の策定が可能になります。一方で、これらのコストを正確に計測し、紐付けるためのデータ収集システムや運用の構築に一定の手間を要する点が課題となります。
現在、ドライバー不足や働き方改革への対応に伴う輸送費の高騰や深刻な人手不足により、個別コストを可視化するDPPの重要性は極めて高まっています。近年は、RFIDやIoT、AIを活用した物流DXの進展によって、商品ごとのリアルタイムな物流コストや配送時の二酸化炭素排出量の算出が容易になりました。これによりDPPは、単なる企業の利益管理ツールに留まらず、輸配送の効率化や環境負荷低減(グリーンロジスティクス)を同時に実現し、持続可能なサプライチェーンを構築するための重要な経営指標となっています。