カスタムズインボイス(税関送り状)とは、特定の国への輸出において、輸入国税関が適正な課税価格を算出・審査するために求める専用フォーマットの送り状です。売主が取引価格の正当性を宣誓し、税関へ提出します。
主にカナダ、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカなどの旧英国連邦諸国で要求される書類で、通常のコマーシャルインボイスとは異なり、各税関が指定する様式を用いるのが特徴です。その最大の目的は、不当に安い価格での輸入(ダンピング)を防ぎ、適正な関税を徴収することにあります。同様の目的を持つ「領事送り状」のように輸出国に駐在する輸入国領事の査証(ビザ)は不要なため、手続きのハードルは比較的低いと言えます。しかし、運賃や保険料、原材料の原産地といった詳細情報の正確な記載と、輸出者の署名が必要不可欠です。記載内容に不備や虚偽があると、現地での通関遅延や罰則の対象となるリスクがあるため、正確な作成が求められます。
国際貿易においては、税関手続きのDX(デジタルトランスフォーメーション)とグリーンロジスティクスが強く推進されています。カスタムズインボイスも従来の紙媒体から、EDI(電子データ交換)や通関プラットフォームを介したデジタルデータによる提出が標準化しつつあります。作成業務の自動化やペーパーレス化は、貿易事務の劇的な効率化をもたらし、国際物流全体のリードタイム短縮に寄与しています。