CAF(Currency Adjustment Factor:通貨変動割増料率)とは、海上輸送において為替レートの変動による損失(為替差損)を補填するために、基本運賃に上乗せされる割増料金(サーチャージ)のことです。
国際間取引における海上運賃は原則として米ドル建てで設定されていますが、船会社の運営コスト(現地港湾費用や人件費など)は各国のローカル通貨で支払われるため、為替変動が直接的な経営リスクとなります。このリスクを補填・調整する役割を果たすのがCAFです。具体的には、基準となる為替レートから一定以上の変動が生じた場合、基本運賃に対する割合(%)として算出・請求されます。船会社にとっては急激な為替変動による赤字化を防ぎ、安定した輸送サービスを維持できるメリットがあります。一方で荷主にとっては、為替の動向によって最終的な物流コストが変動するため、中長期的な予算策定や製品価格への転嫁が難しくなるというデメリットが生じます。
不安定な世界情勢を背景に為替のボラティリティが高まっており、CAFが物流コストに与える影響は増大しています。これに対し、物流DXの進展によって、リアルタイムの為替データと連動した自動見積システムやコスト予測プラットフォームの導入が進んでいます。荷主企業はこれらを活用し、CAFの変動を迅速にシミュレーションすることで、機動的な予算管理と最適なルート選定を行っています。