車扱いとは、鉄道貨物輸送において貨車1両単位を丸ごと貸し切って貨物を輸送する形態のことです。主に石油やセメント、化成品などのバルク(大量・重量)貨物を、特定の専用線や拠点間で一括輸送する際に用いられます。
コンテナ単位で輸送する「コンテナ扱い」とは異なり、貨物の特性に合わせた専用貨車(タンク車やホッパ車など)を使用し、大量の物資を一度に運べるのが特徴です。メリットは、一度に数百トンから千トン規模の貨物を安定して低コストで運べる点や、専用線を利用することで積み替えの手間を省き、効率的な工場間・拠点間物流を実現できる点にあります。一方で、発着双方に専用の鉄道引き込み線(専用線)や荷役設備が必要となるため、導入・維持コストが高く、柔軟なルート変更や小口輸送には対応しにくいというデメリットがあります。近年は専用線の廃止も一部で進みましたが、特定品目の産業基盤を支える不可欠な物流手段として稼働しています。
トラックドライバー不足が深刻化する「2024年問題」の本格化や、脱炭素(グリーンロジスティクス)の潮流を受け、モーダルシフトの主軸として鉄道輸送の価値が再評価されています。特に大量一括輸送が可能な車扱いは、CO2排出量が極めて少ない環境配慮型物流として高い優位性を持っています。IoTを活用した貨車の位置情報や状態監視などのDXが進められており、運行の信頼性と安全性も向上しています。