ビーコンとは、電波や赤外線などの信号を周期的に発信する小型の送信機、およびその技術のことです。物流分野では道路上の交通情報システム(VICS)のほか、倉庫内や配送現場において人や物、車両の位置情報をリアルタイムに把握するための端末として広く活用されています。
従来のVICSビーコンは、道路上に設置されて渋滞や規制情報を車載ナビに送る役割を担ってきました。一方、近年の物流現場では、省電力で通信できる「BLE(Bluetooth Low Energy)ビーコン」が主流となっています。これを荷物やパレット、フォークリフト、作業員などに装着することで、数メートル単位の精度で位置や動線を自動計測できます。メリットは、GPSが届かない屋内でも位置特定が可能な点や、低コストかつ長寿命で導入しやすい点です。一方で、受信機の設置環境や障害物によって電波が遮られ、一時的に検知精度が低下する場合がある点がデメリットとして挙げられます。
物流における働き方改革への対応や深刻な労働力不足を受け、ビーコンを活用した庫内オペレーションのDX化が急速に進んでいます。フォークリフトの動線分析によるレイアウト最適化や、荷役待ち時間を削減するバース予約システムとの連携、さらには循環型プラスチックパレットの流出・紛失防止といったグリーンロジスティクスへの貢献など、業務効率化と持続可能性を両立する不可欠なセンサーデバイスとなっています。