EVA(経済付加価値)とは、企業が事業活動によって生み出した「真の利益」を測定する財務指標です。税引後営業利益から、調達した資本にかかるコスト(株主や債権者の期待リターン)を差し引いて算出します。
EVAは、米国のスターン・スチュワート社(現スターン・バリュー・マネジメント社)が開発・商標登録した指標で、計算式は「EVA = 税引後営業利益(NOPAT) - (投下資本 × 資本コスト率)」で表されます。物流部門においてEVAを改善するには、物流コストの削減による利益向上だけでなく、在庫圧縮やリードタイム短縮、さらには物流施設のノンアセット化(賃貸や3PLの活用)によって「投下資本」を抑制することが有効なアプローチとなります。株主と同じ目線で物流の投資対効果を評価できるメリットがある一方、目先のEVA向上を優先するあまり、必要な長期投資が抑制されやすいというデメリットには注意が必要です。
近年の物流業界においては、ドライバー不足や働き方改革への対応として物流DXや自動化設備への投資、および脱炭素をはじめとするグリーンロジスティクスへの取り組みが不可避となっています。これらは一時的に投下資本を増加させるものの、中長期的な省人化による利益拡大や、ESG経営の推進に伴う資本コスト(WACC)の低減をもたらすため、現代のEVA向上において極めて重要な成長戦略として位置づけられています。