D/O(Delivery Order:荷渡し指図書)とは、海上輸送において船会社が貨物の保管所(ターミナル等)に対して、貨物の引き渡しを指示する書類です。輸入者が港湾から貨物を引き取るために不可欠な重要書類です。
輸入者は船会社に対して、船荷証券(B/L)の差し入れや運賃の支払いを行うことでD/Oを入手します。このD/Oをコンテナターミナルや保税倉庫に提示することで、初めて貨物の引き取りが可能になります。かつては紙の書類として発行され、海貨業者などが回収や提示を行う手間が発生していましたが、現在はデータ上で引き渡し指示を行う「D/Oレス」の仕組みも普及しています。D/Oは船会社にとっては運賃等の未回収を防ぐ担保であり、輸入者にとっては貨物の所有権や引取権を証明する仕組みとして、国際物流の安全かつ確実な貨物引き渡しを支える極めて重要な役割を担っています。
物流DXの進展や、ドライバー不足や働き方改革への対応に端を発する港湾混雑・トラック待機時間の削減に向け、D/Oの電子化(D/Oレス)が標準化されています。ブロックチェーン技術や「Cyber Port」などの港湾情報プラットフォームとのシステム連携により、リアルタイムでの引き渡し権限の確認が可能となりました。これにより事務手続きの劇的な迅速化とペーパーレス化が実現し、環境負荷低減とサプライチェーン全体の効率化に貢献しています。