無人搬送車(AGV)とは、磁気テープなどの誘導体やセンサー技術を用いて、作業員が運転操作をすることなく自動で荷物を運搬する台車型ロボットです。近年は無人フォークリフトなども含め、物流自動化の核として幅広く導入されています。
従来のAGVは、床面に貼られた磁気テープや光学テープなどの軌道(ガイド)に沿って走行するタイプが主流でした。最大のメリットは、搬送作業を自動化することで省人化や作業ミスの削減、安全性の向上を図れる点にあります。一方で、レイアウト変更時にガイドの再敷設工事が必要となる点や、障害物があると停止してしまい搬送が滞る点がデメリットでした。しかし現在では、カメラやレーザーセンサーで周囲の環境を認識し、ガイドなしで自律走行するタイプ(AMR)への移行が進んでいます。障害物を自動で回避しながら最適なルートを選択できるため、レイアウト変更にも柔軟かつ低コストに対応可能となり、Eコマースなどの大規模な物流倉庫から病院まで、多種多様な現場でピッキングや搬送の効率化に貢献しています。
物流における労働力不足や働き方改革への対応が本格化する中、無人搬送車は現場の省人化・DXを牽引する主役となっています。AIや5G、クラウドとの連携により、複数台の搬送車がリアルタイムに連携・群制御される高度なオペレーションが実現しています。また、脱炭素化を推進するグリーンロジスティクスの観点からも、省電力設計や急速充電・長寿命バッテリーを搭載したモデルが主流となり、環境配慮と生産性向上を両立させる不可欠な技術となっています。