縦持ちとは、物流において高層ビル、マンション、多層階の物流施設などで、荷物を上下の階層間(垂直方向)に搬送する作業を指します。平面的な移動を意味する「横持ち」と対比して使われる業界用語です。
縦持ちは、大型商業施設への納品、オフィスの引越し、高層マンションへの宅配のほか、多層階の物流センターにおけるフロア間の商品移動などで発生します。垂直移動にはエレベーターや階段、専用の垂直搬送機を使用するため、水平移動に比べて作業負荷が高く、時間とコストがかかるのが特徴です。特に都市部の大規模施設では、エレベーターの待ち時間や混雑がボトルネックとなり、配送トラックの荷待ち時間(待機時間)を増大させる要因になります。この課題に対し、特定の管理事業者がビル全体の配送を担う「館内物流」を導入することで、縦持ち作業を一本化し、セキュリティ向上や施設内の混雑緩和を図るケースが増えています。
ドライバー不足や働き方改革への対応に伴うドライバーの労働時間短縮に向け、縦持ちのDXと自動化が急速に進んでいます。具体的には、自律走行搬送ロボット(AMR)とエレベーターをクラウドで連携させ、複数階層にまたがる配送を完全無人化するシステムが普及し始めています。また、縦持ちの効率化は配送車両の滞留時間を削減し、都市部でのCO2排出抑制にも寄与することから、グリーンロジスティクスの観点からも極めて重要なテーマとなっています。