実車率とは、トラックなどの総走行距離のうち、実際に貨物を積んで走行した距離(実車距離)が占める割合を示す指標です。車両の稼働効率や生産性を測定する上で、物流業界における最も重要なKPI(重要業績評価指標)の一つです。
実車率は「実車距離÷総走行距離」で算出され、数値が高いほど無駄な空車走行が少なく、配送効率と収益性が高いことを意味します。実車率を向上させるメリットは、運行あたりの売上最大化や、燃料費・人件費といった固定費・変動費の削減です。一方で、往路で荷物を運んだ後に復路の貨物を確保できない「片荷(かたに)問題」が発生すると、実車率は著しく低下し、収益悪化に直結するデメリットが生じます。この改善には、荷主企業同士が連携する共同配送や、帰りの荷物を効率的に確保するための求荷求車システムの活用が効果的です。最大積載量に対する実重の割合を示す「積載率」と並び、輸配送の無駄を排除するための基本指標となります。
ドライバー不足や働き方改革への対応が常態化した物流業界において、実車率の最大化は企業の生存戦略そのものです。AIを駆使した配車計画や、動態管理を統合した高度なTMS(運行管理システム)の普及により、他社との共同運行や帰り荷の自動マッチングがリアルタイムで行われています。さらに、グリーンロジスティクスが義務化される中で、温室効果ガス排出抑制に直結する空車ゼロへの取り組みとしても、実車率は極めて重要な環境指標となっています。