貨物自動車運送事業法


貨物自動車運送事業法とは、トラック運送事業の適切な運営や輸送の安全確保などを目的として、1990年に施行された法律です。かつての道路運送法からトラック事業に関する規制を分離・独立させる形で制定されました。

本法は、従来の免許制から許可制への移行や、路線と区域の事業区分撤廃など、経済的規制を大幅に緩和して自由競争を促しました。一方で、輸送の安全を担保するための社会的規制を強化し、事業者の自己責任を明確にした点が特徴です。メリットとして競争促進による運送サービスの多様化や効率化が進んだ一方、過度な価格競争が発生し、ドライバーの長時間労働や低賃金化を招く要因にもなりました。この課題を解決するため、近年は「標準的な運賃」の告示や荷主に対する勧告制度の強化など、取引の適正化と労働環境改善に向けた法改正が段階的に進められています。

法改正により多重下請構造の是正を目的とした実運送体制管理簿の作成や運送契約の書面化が義務づけられ、業界の健全化が急進しています。運行管理においてはIT点呼やデジタルタコグラフなどのDX活用による厳格な労務管理が必須となりました。また、脱炭素を掲げるグリーンロジスティクスへの対応など、本法を軸に、持続可能で安全な輸送体制の構築が強く求められています。


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