ISPSコード


ISPSコード(国際船舶及び港湾施設保安コード)とは、テロ防止などを目的に国際航海船舶と港湾施設の保安基準を定めた国際規則です。2001年の米国同時多発テロを契機にSOLAS条約が改定され、2004年7月に発効されました。

本コードは、強制力を持つ「パートA」と勧告事項である「パートB」から構成されています。対象となる船舶や港湾施設は、個別に保安計画を策定し、政府の承認を得た上で保安職員の配置や厳格な出入管理を実施しなければなりません。これにより、グローバルなサプライチェーンにおけるテロや密輸のリスクを低減し、海上輸送の安全を確保できるメリットがあります。一方で、立ち入り制限や検査の強化に伴う手続きの煩雑化、および「ISPSチャージ」と呼ばれる保安料金が運賃に上乗せされることによるコスト負担がデメリットとして挙げられます。

物流業界においては、港湾DXや自動化の推進に伴い、ISPSコードが求める保安業務もデジタル化が加速しています。AIによる不審者検知や顔認証ゲート、ドローン巡回などの最先端技術が導入され、深刻な労働力不足に対応しつつ高度なセキュリティを維持しています。また、港湾システムのオンライン化に伴い、物理的警備だけでなくサイバーセキュリティ対策もISPSの枠組みにおいて重要性が極めて高まっています。

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