荷印(ケースマーク、シッピングマーク)とは、輸出入貨物の外装に記載される記号や番号、仕向地などの識別情報の総称です。紛失を防ぎ、国際間における輸送や通関手続きを円滑に進めるための「貨物の顔」として機能します。
荷印には、荷主の商標、仕向地、ケース番号、梱包個数、重量、原産国、ケアマーク(取扱注意)などが表記され、船荷証券(B/L)などの書類記載と完全に一致させる必要があります。その最大の役割は、複数顧客の貨物が混在する国際輸送において、一目で貨物を識別・特定し、誤配送や紛失を防ぐことにあります。言葉の通じない現地港湾労働者に対しても、視覚的に正しい取扱いを促せるメリットがあります。一方で、印字の不鮮明さや書類との不一致は、通関の差し止めや遅延を招く原因となるほか、記載内容から高価な貨物であることが推測されると盗難リスクが高まるため、必要最小限の表記に留める実務的な配慮も求められます。
物流業界の深刻な労働力不足(2024年問題への対応)を背景に、荷印はRFIDや2次元コードを組み込んだ「スマートシッピングマーク」へと進化しています。これにより検品作業の自動化が進み、サプライチェーン全体のリアルタイムなトレーサビリティが実現しています。また、グリーンロジスティクスの観点から、プラスチックラベルを排除して外装ダンボールへ直接デジタル印刷する技術や、環境負荷の低い植物性インキの採用がグローバル標準となっています。