バルク輸送とは、液体や粉粒体、穀物などの貨物を包装や箱詰めせず、そのまま(ばら積み)の状態でタンクローリーや専用船などの専用車両・船を用いて大量に輸送する方式のことです。
この方式は、化学品、食品原料、セメント、飼料などの輸送に広く用いられています。最大のメリットは、袋詰めや箱詰めなどの梱包資材が不要になることと、梱包・開梱作業にかかる人件費や時間を大幅に削減できる点にあります。また、ホースやパイプ、コンベア等を用いた機械的な荷役が可能なため、積載・荷卸し作業の効率化と積載効率の最大化を同時に実現できます。一方で、輸送や保管には専用のタンクやサイロといった高額な設備投資が必要となるほか、異なる貨物を運ぶ際に入念な洗浄が必要となり、異物混入(コンタミネーション)の防止対策や管理が厳格に求められる点がデメリットです。
物流の「2024年問題」に伴う深刻なドライバー不足に対し、手荷役が発生しないバルク輸送は荷役時間を劇的に短縮する有効な手段として再評価されています。さらに、IoTセンサーを用いたタンク残量のリアルタイム監視と、それに基づく配送ルート自動最適化(VMI)によるDXの推進、梱包資材の完全撤廃によるプラスチック削減(グリーンロジスティクス)など、持続可能なサプライチェーンの構築において極めて重要な役割を担っています。