発注点とは、在庫切れを防ぎつつ過剰在庫を抑えるために、事前に設定しておくべき発注のトリガーとなる在庫基準値のことです。在庫量がこの基準値を下回った時点で、あらかじめ決められた一定量を発注する「定量発注方式」などで用いられます。
発注点は「(1日あたりの平均出荷量×調達リードタイム)+安全在庫」の数式で算出されます。この仕組みを導入する最大のメリットは、発注業務のパターン化と自動化が容易になり、現場の管理工数を大幅に削減できる点にあります。常に一定量を発注するため、仕入れ価格の安定や発注ミスの防止にも寄与します。一方で、需要変動が激しい季節性商品や、ライフサイクルの短い製品には不向きというデメリットもあります。適切に運用するためには、需要の変動やリードタイムの変化に応じて、定期的に発注点そのものを見直すメンテナンス作業が不可欠です。
2024年問題に伴うドライバー不足やリードタイムの不安定化に対応するため、AIやIoTを用いたリアルタイムな需要予測により、発注点を自動で最適化する「動的発注点」の導入が進んでいます。適切な発注管理によって緊急配送や無駄な横持ち輸送を削減することは、積載効率の向上やCO2削減といったグリーンロジスティクスの実現にも直接貢献し、サプライチェーン全体の持続可能性を高めています。