概要
撥水段ボールとは、原紙(ライナ)の表面に撥水剤をコーティングし、一時的な雨や結露などの水分を弾く処理を施した段ボールのことです。水分による段ボール自体の強度低下を防ぎ、輸送中の中身を湿気や水濡れから守る役割を果たします。
詳細説明
従来の撥水段ボールはパラフィンワックスを塗布したものが主流でしたが、近年は環境配慮の観点から、リサイクルしやすい樹脂系の撥水剤などを用いたタイプが普及しています。最大の特徴は、短時間の降雨や結露などの水分を球状に弾き、段ボール繊維への浸透を防ぐ点です。これにより、生鮮食品やチルド・冷凍品、精密機器などの輸送において、水濡れによる箱の軟化や荷崩れを防止できるメリットがあります。一方、あくまで一時的に「水を弾く」機能であるため、水に長時間浸かるような過酷な環境には耐えられず、その場合は「耐水段ボール」の選定が必要となります。また、撥水剤の種類によっては古紙としてのリサイクル適性が下がる場合があるため、環境負荷を見極めた資材選定が求められます。
脱プラスチックやグリーンロジスティクスの潮流から、従来のプラスチック容器に代わる選択肢としてリサイクル可能な撥水段ボールの需要が急増しています。また、2024年問題以降、物流の効率化に向けたモーダルシフトや異温帯輸送が増加しており、輸送・保管時の結露対策が重要視されています。高い撥水機能と100%リサイクル可能な環境性能を両立させた最新の撥水段ボールは、持続可能なサプライチェーンを支える不可欠な資材となっています。