着発線荷役方式(E&S方式)とは、貨物列車が発着する本線(着発線)のコンテナホームで、列車の入換作業を行わずに直接コンテナの積卸しを行う荷役方式です。鉄道貨物輸送の高速化と効率化を支える重要な仕組みです。
従来の貨物駅では、到着した列車から貨車を切り離し、入換用の機関車で荷役線へ移動させる複雑な「入換作業」が必要でした。これに対し本方式では、列車が到着した状態でそのままフォークリフト等による荷役ができるため、駅での停車時間や全体のリードタイムを大幅に短縮できます。また、入換用の機関車や操車人員を削減できるため、運行コストの低減にも寄与します。一方で、架線(電化線路)下での安全な荷役作業を確保するための地上設備や、コンテナホームを本線沿いに設ける広い敷地が必要になるという導入上の課題もあります。しかし、その圧倒的なスピード向上効果から、全国の主要な貨物ターミナル駅で導入が進められてきました。
物流の「2024年問題」に端を発するトラックドライバー不足や、脱炭素(グリーンロジスティクス)への対応から、鉄道へのモーダルシフトが加速しています。本方式は、鉄道輸送の弱点であったリードタイムの長さを克服し、トラック並みの迅速な輸送を実現するための切り札となっています。AIを活用したコンテナ配置の最適化や、フォークリフトの自動運転・遠隔操作といったDX技術との融合も進んでおり、深刻化する労働力不足を補いながら、より安全でクリーンなサプライチェーンの構築に大きく貢献しています。