商物一致とは、商品の取引を行う「商流」と、実際の商品の移動や保管を行う「物流」が、同一の経路や主体によって一体となって行われる状態を指します。営業担当者が受注から商品の配送までを一貫して担う手法などが代表例です。
商物一致の仕組みは、地域密着型のビジネスや、自社で大規模な配送センターを持たない企業で多く見られます。メリットとしては、顧客との接点において受注から納品までが迅速かつ柔軟に対応でき、特別な物流管理システムが不要な点が挙げられます。しかしデメリットとして、営業担当者が配送業務に時間を奪われるため、本来の営業活動に集中できず生産性が低下しやすいという問題があります。また、配送ルートが属人化しやすく、企業の成長に伴って積載効率や配送効率が低下するため、事業拡大の足かせになるケースも少なくありません。そのため、事業の成長に合わせて、商流と物流を切り離して効率化を図る「商物分離」へ移行していくのが一般的です。
物流の「2024年問題」を受けた労働時間規制やドライバー不足、環境負荷低減(グリーンロジスティクス)への配慮から、非効率な商物一致は見直しが進んでいます。多くの企業がDXを推進し共同配送や「商物分離」へ舵を切る一方、顧客との深いリレーションが求められる分野では、ルート最適化システム等のデジタル技術を活用して、配送の効率性を担保しながら対面サービス価値を高める「進化型の商物一致」も模索されています。