下請運送とは、荷主から直接輸送を請け負った運送業者(元請)が、実際の輸送業務の全部または一部を、別の運送業者(下請)に委託して貨物を輸送する仕組みのことです。
この仕組みでは、荷主と契約する「元請」と、実際にトラックを走らせる「下請(実運送事業者)」に役割が分かれます。元請にとっては、自社の車両やドライバーの保有数を超えた大規模な輸送を受託できるため、柔軟な配車や事業拡大が可能になるメリットがあります。下請側も、自社で営業活動をせずとも案件を確保できる利点があります。しかし、委託が重なる「多重下請構造」になると、中間マージンの発生によって末端の実運送事業者の収益が圧迫され、労働環境の悪化や、事故時の責任所在の曖昧化を招くという深刻なデメリットが生じます。
物流の「2024年問題」を受けた規制強化により、多重下請構造の是正と実運送事業者への適正運賃の還元が厳しく求められています。DXの進展に伴い、荷主と実運送事業者を直接つなぐデジタルマッチングプラットフォームが普及し、不透明な下請構造は是正されつつあります。また、CO2排出量(Scope3)の可視化などグリーンロジスティクスの観点からも、下請運送における取引の透明化と適正化が急務となっています。