利用運送


利用運送(貨物利用運送事業)とは、自らはトラックや船舶などの輸送手段(実運送)を持たず、他社の運送手段を利用して荷主の貨物を運送する事業のことです。荷主と直接運送契約を締結し、輸送責任を負います。

利用運送は、国土交通省への登録が必要な「第一種」と、許可が必要な「第二種」に大別されます。第一種は、特定の運送機関(トラック、鉄道、航空、船舶など)を利用して、駅ロケーション間や港湾間などの個別区間の輸送を手配するものです。第二種は、鉄道、航空、海運といった主要な幹線輸送と、その前後のトラックによる集荷・配達を一貫して行う「ドア・ツー・ドア」の輸送サービスを指します。
利用運送の最大のメリットは、自社で車両や設備を保有する固定費や維持リスクを抑えながら、状況に応じて柔軟かつ最適な配送網を荷主に提供できる点にあります。一方で、実運送会社との運賃交渉や、繁忙期における確実な車両確保(求車・配車能力)が事業の成否を分けるため、実運送事業者との強固な信頼関係が不可欠です。

ドライバー不足や働き方改革への対応が常態化する環境下において、利用運送は物流DXの核となっています。AIを搭載したデジタル配車プラットフォームやデジタルフォワーディングの普及により、実運送会社との高度なマッチングが可能となり、トラックの積載率向上と運行効率化が実現しています。また、脱炭素化(グリーンロジスティクス)に向けたトラックから鉄道・船舶への「モーダルシフト」を推進する上でも、最適な輸送手段をコーディネートできる利用運送事業者の存在価値はさらに高まっています。


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